プロローグ

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時計を見ると0:30だ。 後8分で、最終を逃してしまう。 俺は、東京駅に向かって走る。 あのバカパソコンが、フリーズしなかったら、一時間は早く帰れたのに、と頭の中で愚痴りながら、走る。 普段、運動をしていないから、5分も走ると足に痛みを感じる。 明日は、筋肉痛かな?そんなことが頭をよぎる。 信号が点滅してる。 渡るんは無理やな。 横断するのを諦めた。 もう、目の前に東京駅が見えているのに。 イライラしながら、時計を見る。 あかん、もう無理や…。 終電が出たあとや。 こうなったら、タクシーで家まで帰るか。 息を整えながら、考える。 身体から、汗が吹き出してきた。 鞄から、ペットボトルを取りだし、一口飲む。 ちょっとだけ落ち着いた。 信号が変わったのを確認すると、ゆっくりと歩みを進める。 目指すは、駅前のタクシー乗り場だ。
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