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「辛いことや、悲しいことは、誰にでもあるんや。
そんな時は、無理して笑わんでもええねん。
泣いたら、ええねん。
泣いたり、落ち込んだりするのは悪いことじゃないんや。」
俺は、広子を抱き締めたまま今感じたことを伝える。
どこまで、伝わるか分からないが、今伝えないとアカンと思ったのだ。
「でも、私はアイドルだから、皆の前では、いつでもニコニコ笑っていないとダメなんだよ…。」
「俺の目の前に居るのは、竹井広子って言う普通の女の子や。
アイドルでもなんでも無い。」
「えっ!」
「だから、泣いても、わめいても、愚痴を言っても構わないんやで。」
「…でも…。
そんな私を見たら、嫌いになるよ…。」
「アホか! そんなんで、嫌いになんてならへんわ!」
広子は泣き出した。
ヤバい。
きつく言い過ぎたかな…。
東京の人は、アホって言われると傷付くって聞くしな…
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