不定形の雲

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この宇宙に、地球以外のどこかに生物は存在するのだろうか? もっと簡単に言えば、宇宙人はいるのだろうか? いるわけがない、と答える人がいるだろう。また、いるに決まっている、と言う人もいるだろう。十人十色の様々な意見があるはずだ。 だが、論理的に言えば、最も正しい意見は「わからない」というものだろう。 そう、わかるわけがないのだ。 なにせ宇宙は広い。無限と言っても過言ではない。そしてそんな宇宙の中で、人間が知り得ている範囲はあまりにも狭い。宇宙人がいるかいないかなんて、誰にもわかるはずがないのだ。 そう、宇宙はあまりにも広い。 いや、とはいってももちろん、宇宙にだって限りはある。今もなお膨張を続けているとはいえ、どこまでも限りなく続いているわけではない。 つまり論理的に言えば、宇宙の全ての場所を知り尽くすことも出来るはずなのだ。 もし。 それをなしとげた存在がいたとしたら。 全宇宙の秘密を全て知り尽くした存在がいたとしたら。 広大な暗黒世界を、信じられないほど孤独に、あてもなくただよいながら、それはいったい何を思うのであろうか。
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