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毎日毎日新たな自分が誕生する。
噂が噂で更新されていく。
人の先入観とは凄いもので、万回聞けば簡単にはその人に対しての印象を変えることが出来ない。
それが例え本人でもどうにもならない――
「何でこの学校来たんだし」
「さっさと辞めちゃえばいいのに。本当目障り」
「いっそ、来れないようにしちゃえばいいんじゃない?」
一人の女の言葉に、中学の時よりも物騒だなここの生徒達はと思った。さすが不良校と言うべきか。
注意するべきは男だけではなかったのだと知った。
――さてどうしようか。大人しくボコられとく? いやでも見える位置だと梨磨が……
「あの……」
「あぁっ?」
「殴るなら服で見えないところをお願いします」
只でさえ腫れた頬をどう梨磨に説明しようか悩みどころだと言うのに、これ以上見える位置に傷を作ってしまったらフォローしようがない。
だがそんなこころの余裕綽綽そうな――女達からはそう見えた――態度に、「このっ……」と、先程とは別の女が手を振り上げて……
――だから顔はやめてよ!? 親切心で言ってあげているのに!
「なーに楽しそうなことやってんの?」
まさにそれは鈴のなる声色だった。
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