65人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
もし、異世界で俺が行動を起こす事で悪い方向に進んで滅んでしまったらどうなるんだ?
「うむ。ソレは、その世界がそれまでの、とるに足らない世界だったとして諦めると言うことになるかの。お主は異世界に悪い方向であれ良い方向であれ波紋さえ与えてくれれば良い。さすれば帰してやろう。お主は、その世界の行く末まで考えぬでも良い」
なんで神様は、こんな簡単に世界を捨ててしまうのだろうか……。
「言ったじゃろう?例えるなら畑じゃと、畑の様に上手く育てれば儂の糧となる。初めから作れるが畑がどうなるかは完全には予測出来ん。失敗すれば、また作り直せば良いのじゃ」
そんなもんなのかね。
と、言うか神様の糧ってなんだ?
「力の源じゃ、お主達人間や動物が生きようとした分だけ我に力が宿る我が死ねばお主達も死ぬ。結局生き続けるには神とて何らかのサイクルの一つに過ぎないのじゃよ」
そうか、なら死ぬと言う概念を教えてくれ。
神様が死ねば皆死ぬのは分かったけど実質、俺も死んだんだろ?
でも、こうして意識はある。
死ぬ概念が分からない。
神様は髭を撫で眉間にシワを寄せるとユックリと口を開いた。
「儂にも分からんのじゃよ。ただ分かっておるのは、お主達の死には介入出来ると言う事ぐらいかの」
その後に神様は儂も死んだ事は無いしのと付け加えた。
「さて、質問はもう無いかの?お主の行く世界について説明したいのじゃが」
一つ良いか?
「なんじゃ」
神様の名前は?
「儂の名前は、いくつもあるがこれと言って決まっては、おらんのう。呼び辛ければお主が決めても良いぞ」
俺が?
そんな大事な事を?
「ただの呼び名に過ぎん儂自身の存在が変わる訳でもないしの」
じゃあ、神の別の読み方のシンで良いかな?
「構わん、儂は今からシンと名乗ろう」
「今度こそ、お主の行く世界について説明しようかの」
分かった。説明してくれ。
「お主には」
最初のコメントを投稿しよう!