旅立ちは一人

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さっき詳しく説明するって言ったのは嘘だったのかよ。 俺は、まだ自分が死んだ夢を見ているのかと疑い、今の出来事が現実なのかどうなのか、まだ確信が持てないと言うのにシンは、もう会話をしては、くれないようだった。 何はともあれ ひとまず、住人を見つけるか、もしくは食料や水、寝床を見つけるのが先決かも知れない。 俺は、まず状況把握の為、自分の服装を周りの状況を見て頭の中を整理する事にした。 現在の俺の服装は、大学に通っていた普段着と変わらないようだ。 トレーナーとその中に薄手のシャツ、ジーパン、靴下、お気に入りの靴。 一応パンツと下着も確認。 全て俺の私物だ。 ポケットの中には入ってるだろうと思われた携帯は無く、リュックも落ちていない無い。 手ぶらだ。 俺の周りには半径1メートルぐらいのクレーターが出来ていた。 クレーター周りに広がる草原。 草原の中には所々に木があり、 1~2キロ前方には森が見える。 俺の立つ後ろには草原が広がっている。 おかしい。 雲の上から55キログラム以上の俺が落ちてきて俺が死ななかったのもおかしいしクレーターがこんなに小規模なものなのだろうか。 それとも俺が知らないだけでクレーターは、こんな程度なものなのだろうか。 いや、神様がいる時点で色々とおかしいんだ。 詳しくは考えない様にしよう。 きっと、これからもおかしな事は続く。 こんな事に疑問を抱いていたらキリが無いだろう。 とりあえず、人が何処にいるかも分からないし水を探し森へ行こうと思い、俺は1~2キロ前方に見える森へ歩きだした。 それにしても暑い。 向こうは冬だったのに、ここは夏の様だ。それとも暑い気候の続く場所なのか。 トレーナーを脱ぎ腰に巻き付ける。 今、何も無い状態じゃトレーナーも何に使えるか分からないし一応持っておく事に損は無いだろう。 草むらが続き道が見当たらない。 ここに人は来ないのだろうか。 照り付ける太陽が痛い。 そういえば空気がうまい。 先程までは体の痛みばかりに気がいっていた為、気がつかなかった。 向こうに住んでいた頃と空気が全然違う。 空気が透き通っているのか遠くまで良く見える。 遠くから、草食動物のような群れが走ってくる。
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