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「ほう、これは空間魔法を応用したのですか?」
「そうですねー。こうして私の影と空間を繋げることによって、移動しながらでも取り出せるのが利点ですね」
「かげしゃん、にゅりゅーって、しゅごいの!」
「ほう、なるほど」
さすがは団長というところか、特に驚いたりせず冷静だ。むしろ興味津々な様子ですね。
「しかし、影のように移動する形のないものに、固定された空間を繋げるとは……かなり高度な技術を必要とするはずですが」
「いや、やっぱり大分苦労しましたよ?幼い頃からこういう形にしようという構想はあったので、一時期はこの魔法ばかりを練習していました」
ここで、いえ簡単にできましたよドヤァ、みたいに自ら実力者発言をするような真似はしません。そんな実力者だったら呼び出されまくり確定じゃないですか。絶対勘弁してほしいわ。
そんな否定的なことばかり言っている割に、結局はこんな展開に流されてる気がする。抗うだけ無駄かもしれないけど、ひねくれ者ですから素直に頷きたくはないのだよ。
「幼い頃から想像力のあったのですね、ご両親も鼻高々でしょう」
「いや、物心付くころには亡くなってしまいまして。それで魔法が必要に迫られたんですよ」
「……そうなのですか、余計なことを言ってしまいましたね」
「まあ、気にしないでください」
両親がいないという設定も板に付いてきたかな。なんだかルーセントさんの聞き方が、妙にこちらのことを探られているような感じがする。
でも、こういう時にこの設定で話をするとそれ以上は聞いてこようとしないから便利だ。
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