◇オネェ系と女子力欠如(1)

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中学でもそうだった。恋愛感情もなく、私と友達になってくれた子がいた。 嬉しくて嬉しくて、話している内に私はその子に恋愛感情を持つようになった。初めて人を好きになった。 ……女の子よ?別にオネェだからって、男子だけが好きなわけではないのよ。好きじゃないと言ったら嘘になるけど。 その女の子にすっかり心を許してしまった私は、同じ過ちを繰り返してしまった。 私がオネェだと打ち明けると、その女の子は笑って、そうなんだ。と言った。いつもの笑顔だったから、認められたのだと勘違いをしてしまった。 ある日、ノートを学校に忘れて取りに戻ると、その子と他の女の子たちが教室で話をしていた。そして私はその話しの内容を聞いてしまった。 ――林田君、オカマだった あっさりと、私がよく話しもしない女の子に私の秘密をばらしていた。そこまでならまだよかった。だけど次に発した言葉は、最低に他ならなかった。 ――気持ち悪いよ、ありえない ――あーあ、友達になって損した そんな、針のように鋭い言葉が、私の胸に深く突き刺さった。二度目の絶望が私を襲った。頭の中が……真っ白になった。 私はそのまま、教室の中へ入った。驚いたように肩を跳ねさせ、女の子達がこっちを見た。 だけど私は、女の子たちに顔を合わせることなく、ノートだけ取って走り帰った。 次の日からはもう、完全に自分を隠した。近付いてくる子達には、人当たりのいい人物を演じた。 あの子はもう二度と、私と話すことは無かった。中学生活は、ただそれだけで終わってしまった。
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