女子力欠如、街へ行く。

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「ひょわあああ、おしょりゃ!!びゅーんて、ひゃー!!」 真下に広がる森を見て、ステラが手を伸ばしながらはしゃいでいる。風で髪がボサボサになりながらも、いい笑顔だ。 私たちに気付かずに横切る、鳥のような魔物達にも驚いている。間近で見るのは初めてだったのかな。 姿は見えなくても音は遮断してないから、さっきから魔物がキョロキョロと辺りを見回している。 「こらこら、大人しくなー。落っこちるぞ」 「しょれはやー!!しゅてあ、おとなしくしゅる!!」 ぴちゃー!と言いながら、そのままの体勢で動きを止めた。ぴたっ、て言いたかったんだろうけど、なんだかつぶれてるみたいな擬音だな。 でもね、息止めたら駄目だよ。顔真っ赤になってきてるからね。 「っぷはー」 「息は危ないよ、止めたら駄目」 「あいー」 私が最初に現れた山の上から街らしいものが見えたから、その方向に飛んでいるのだが結構遠い。 しかし、どうやらあれはかなりでかい街なことが分かった。城は見当たら無いから、ただの街だろうけど。
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