第2章

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(正哉ん家でも行くかな……)  静か過ぎる自宅にいては、繰り返し頭の中で再生される医師の言葉を振り払うことが出来ず、携帯を操作し出す。 「おー、正哉。オマエ今、暇?」 「“おー”じゃねぇよ。何で学校来なかったんだよ。」 「いやー、何か病院行ったらかったるくなっちゃってさー。俺がいなくて、寂しかったんか」  いくら親友と思える正哉にも、脚の状態を正直に言う気はない。  稜は(心配や同情なんてされたら、ウザい)と思っていた。  正哉の派手な溜め息が聞こえた。 「バーカ。稜がサボると、山ちゃんが俺にしつこく訊いてくるんだよ。学校に連絡くらい入れろよ。せめて携帯の電源は入れててくれ」 「あぁ、山中かぁ。わりぃな、気ぃ付けるよ。それよりさ、今からオマエん家行くから。俺、退屈でシニソー」 と茶化して言う稜。 「俺、今家にいない。美佳と一緒なんだよ」 「あっ、そっか。邪魔して悪かったな。」 「明日はちゃんと来いよな。じゃあな」 また静寂が稜を包んだ。
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