第3章

2/5
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「稜、おはよっ!」 「はよー。朝から元気だな」 「ねぇ、何か気付かない?」  微笑みながら期待の眼差しを向けてくる彼女、麗をぼんやり見つめる稜。 「あ、髪染めたのか」 「あったりー。気付くの遅いなあ」  ごめん、と言いながら髪に指を通す。 「俺は黒い方が好きだな」 「えぇっ、そうなの……。稜は明るい色の髪の子が好きなんだと思って」  そんなこと言ったっけ?と首を捻る稜。 「ううん……。稜の周りは派手めの子が多いから、勘違いしちゃった。染め直そうかなぁ」 「うーん、そんな短期間で色変えたら傷むんじゃないのか?俺の言葉に影響され過ぎ」 と薄く笑う稜に麗は、 「だって、心配なんだもん。稜、モテるし。いつもあの茶髪の子と一緒にいるじゃない」 と小さな声で言った。 「何、ソレ。ヤキモチ?麗は俺の彼女だろ。みさおはただの幼馴染み。そんなことまで束縛するなら、俺、麗とはもう無理かも」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!