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「稜、おはよっ!」
「はよー。朝から元気だな」
「ねぇ、何か気付かない?」
微笑みながら期待の眼差しを向けてくる彼女、麗をぼんやり見つめる稜。
「あ、髪染めたのか」
「あったりー。気付くの遅いなあ」
ごめん、と言いながら髪に指を通す。
「俺は黒い方が好きだな」
「えぇっ、そうなの……。稜は明るい色の髪の子が好きなんだと思って」
そんなこと言ったっけ?と首を捻る稜。
「ううん……。稜の周りは派手めの子が多いから、勘違いしちゃった。染め直そうかなぁ」
「うーん、そんな短期間で色変えたら傷むんじゃないのか?俺の言葉に影響され過ぎ」
と薄く笑う稜に麗は、
「だって、心配なんだもん。稜、モテるし。いつもあの茶髪の子と一緒にいるじゃない」
と小さな声で言った。
「何、ソレ。ヤキモチ?麗は俺の彼女だろ。みさおはただの幼馴染み。そんなことまで束縛するなら、俺、麗とはもう無理かも」
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