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「おい、あんたのお母さん、若いな。」
「別に。若くないよ。」
悠哉が何度もわたしの家を振り返りながら言ったので、わたしはムスッとしたまま答えた。
「そうか?」
「うん。」
悠哉は、そう言った後、暫く黙り込んだ。
恐らく、何かを褒めればわたしの機嫌が良くなると思ったけど、そうならなかったからだろう。
しかし、突然わたしの前に立ちふさがったと思うと、目を丸くするわたしに頭を下げた。
「その、なんだ。悪かった!すまねぇ!」
その言葉に、わたしは更に目を丸くした。
「…一体どうしたの?」
それしか言葉が見つからなかった。
「いや、だから、…はぁ。」
何故か深い溜め息を吐く悠哉。
「何よ、その溜め息。」
わたしは呆れて言った。
しかし、悠哉には、それが気に入らなかったらしく、顔を真っ赤にしだした。
「せっかく謝ったのに、変な返事するからだろ!」
「何それ。それだけ?」
「おう。」
わたしは、謝ってくれたので、今日は許そうと思ってたのに、悠哉の言葉に再び苛立ってきた。
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