学校

6/44
前へ
/53ページ
次へ
「何?何も起きないじゃない。」 わたしが呆れて言うと、「シッ!」と、指を口元に当てて注意されてしまった。 すると、遠くから何かの鳴き声が聞こえてきた。 その鳴き声は、上空からのもののようだったので、空を見上げると鷹なのか鷲なのか、それとも鳶なのか、とにかくそういった鳥が飛んでいるのを見つけた。 すると、その鳥は驚いたことに、だんだん大きくなりながら此方へと降りてきた。 「やだ!何なのこれ!」 わたし達の目の前に降り立ったその姿を見て、思わず叫んでしまった。 普通の鳥の何倍もの大きさで、ニ、三メートル程もある巨体である。 周りを歩いていた人々は、突然の大声のせいか、わたしを変な目で見てくる。 「おい、周りには見えてないんだから大声出すなよ。」 悠哉は、周りの人々に目をやりながら溜め息混じりに言った。 「え…?どういうこと?」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加