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いつも以上に暗い闇夜だった日ー
わたし、猪倉 美香は、家に帰るために駅のベンチに座っていた。
途中までは友人がいるが、この駅からはわたし一人になる。
その退屈さと寂しさのあまり、わたしは深い溜め息を吐いた。
誰か一緒に楽しい話をしながら電車を待てる友人が欲しくて。
そんな時、線路の向こう側に見える草むらが、ポウッと青白く光ったような気がした。
と、突如、何のアナウンスもなく電車が現れた。
電車の中は何も見えない。
それは、中に煙のようなものが充満しているため、見えずらくなっていたのだ。
わたしは恐怖を感じつつも、通り過ぎるその電車をジッと見つめた。
そして、わたしは見てしまった。
窓から此方を恨めしそうに見ている女の人の顔を。
わたしは、恐怖のあまり固まってしまう。
しかし、恐怖はそれだけではなかった。
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