学校

20/44
前へ
/53ページ
次へ
「カッコイイって誰のことだ?」 わたしが言い終わると同時に、わたしの背後から声がした。 智も食い入るように其方を見る。 わたしが振り返ると、悠哉が机の前に立ち、怖い顔をして此方を睨みつけていた。 机は既に置いてきたらしく、手には何も持っていない。 「あ、あぁ、悠哉。来てたんだ。」 「おう。自己紹介もさせていただきました。」 悠哉は相当怒っているようで、声が低い。 もしかして、わたしが先に教室に戻ったから…? 「そうなんだ。」 あまりにも悠哉の顔が恐ろしくて、下を向いて相槌を打った。 「あぁ。お前が後ろ向いてお話してるのもずーっと見てたんだけど?」 悠哉が何を言いたいのか全く分からない。 困ったので智の方を見ると、此方もこの世のものとは思えない顔をして悠哉を睨みつけていた。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加