出会い

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「ボス、こいつ、あいつ等を見ちまったらしくて…。とりあえず、危ないからウチに連れてきました。」 少年が、わたしの背を押して前に出すと、ゆっくりと説明した。 ボスと呼ばれたその男の人は、わたしをジッと見つめると、少し顔を和らげた。 その顔は、先程までのヤクザのような恐ろしい顔ではなく、優しそうな、普通の顔だった。 「ほぅ、怖かっただろ。これからも気をつけた方がいいな…。」 ボスは、そこで一旦話すのを止め、何かを探すように辺りを見渡すと、わたしの後ろに立っている少年のもとで、視線を止めた。 「よし、悠哉!お前がこの子を守れ。これは命令だ。」 「え?俺っすか?」 少年は、ボスの言葉が信じられない、とでも言うように、呆けた声を出す。 「そうだ。俺は、お前の力を信じているからな。それに、今、この場に、若くてこの子を守れるのはお前しかいないだろう?」 少年は、辺りを見渡し、不思議そうに頭を傾げると、ボスに向き直った。 「ボス、海斗はどこに…?」 「あいつは、今別の奴らを追って出掛けている。暫くは帰って来んだろう。」 ボスは、そう言うと、わたしの方を顎で指し示した。 少年は、それで思い出したように、わたしの方を向くと、またまた頭をガシガシと掻きながら言った。 「と、言うことだ。まぁ、これからよろしくな!」 わたしは、突然のことに戸惑いながらも、そっと頷いた。 「よ、よろしく…」
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