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「あ、そうだ。あんたには一応これ、渡しとくよ。これさえあれば、あいつ等はあんたに手出し出来ない。」
わたしが、たどたどしく言うと、思い出したようにそう言って、太い棒のようなものを差し出した。
わたしが手に取ると、それはなかなか重たかった。
「これは…?」
「それは、一度振るだけで、固い糸みたいなのが出てくんだ。振った奴が願わない限り、誰もその中には入れない。」
わたしが、それをまじまじと眺めながら尋ねると、少年は詳しく説明してくれた。
「こら!そこで仲良く話してないで、その子を家まで送って来い、阿呆!」
わたしが、感心して何度も頷いていると、いつの間にか立ち上がっていたボスが、少年の頭を叩いて注意した。
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