ある意味運命的な恋

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確かに、俺にもこの女の子に惹かれるものはある。 だけど、本当にいいのか。 この告白に頷けば、本当に俺は当たりを引いたって言うことができるのか。 俺にとっての“大吉”は本当にこの子なんだろうか。 「吉野さん……俺は」 ええい、俺も男だ。 ここで優柔不断に答えあぐねるくらいなら、すっぱりと切ってやる。 悪いな、コータ。 どうやら俺が泣く姿は見せてやれそうにない。 俺は、確かな決意を持ってでないと、交際ができない性格みたいだ。 それに気付けただけでも、こんな美少女に告白されるというイベントには意味があったんだと思う。 「吉野さん、俺は!」 グッと拳を握り締め、真剣な瞳を吉野小牧に向けた。 が、不意に唇に柔らかな感触を覚え、言葉を切らす。 「ごめんね、答えはいつでもいいって言ったのに、大吉くんとお話してたらつい我慢できなくなっちゃって」 唇に当てられたのは、吉野小牧の指だった。 俺の唇に人差し指を当て、可愛らしく、本当に可愛らしく、吉野小牧は小首を傾げて微笑んだ。 卑怯だ。 美少女ってのはとんでもなく卑怯な存在だ。 「まだ、メールも送ってもらってないし、返事はもうちょっと待たせてもらおっかな。ちゃんとメール、返して欲しいな」 「あ、その、悪い。なんか、突然のことで戸惑ってて、どうしたらいいのやらって感じで」 「ううん、いいのいいの。本当にいつでもいいから……って、今我慢できなくなっちゃってた私が言えることじゃないよね」  
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