ある意味運命的な恋

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  「そろそろ来ると思うんだが……大吉、一つ忠告しとくぞ」 やることがなくなり、他のお客さんの足元に座り込んでいる犬達を眺めていると、不意に光一さんが俺の名を呼んだ。 「何だよ?」 「これからこの店に世界一可愛い女の子が来る。いいか大吉、絶対に惚れるなよ?」 「ははは、またまた、光一おじさんはいつも面白いこと言うな~」 確かに、父親としては、息子と娘が恋をするようなことになるのは怖いだろう。 けど、その心配はない。 何故なら、俺はその女の子が血の繋がった姉か妹だってことを知っているんだから。 兄弟に恋なんてするわけないじゃないか。 「いや、お前舐めてるだろ?俺の娘だからって舐めてかかってるだろ?ヤバイからな?俺の娘だけあってすげぇ可愛いからな?泣いて頼まれたってこんな犬小屋にお嫁になんてやらないからな?」 相当溺愛してんだな、娘さんのこと。 果たしてこのお父さんは、息子の方も同じくらい愛してやっているんだろうか。 「おいこら、あたしの店と息子を馬鹿にしてんじゃないよ。いいじゃない、変な男連れて来るよりかは、大吉みたいなしっかりした……あ、ごめん。確かに、こいつじゃ心もとないわね」 おいこら母親。途中で諦めんなよ。
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