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「あ、い、いきなりすぎるよね!ごめんね、なんかテンパっちゃって。戸惑うよね、知らない人から急に言われても」
え、もしかして、告白されたのか、俺。
「答えはいつでもいいから、まずは友達からでもいいから、とりあえず考えてもらえると嬉しいな。あ、そうだ。ケータイ、赤外線で送っとくね」
ケータイ、赤外線。
た、確か俺の携帯電話にも赤外線通信という機能があった気が。
「はい、送信完了。は、恥ずかしいから、私もう行くね。よければ、メールください。メール来なかったら……また会いに来ちゃうから」
どうやら俺は、生まれて初めて当たりくじってやつを引いたらしい。
「じゃあね、大吉くん」
ハッキリと当たりくじだと断言できるくらい、彼女――吉野小牧さんは、俺好みの美少女だった。
訳あってちょっとグレてた中二以降、俺には親友と呼べる人間が一人いるくらいで、恋人どころか俺に近付こうって人間自体少ない。
勿論恋愛経験ゼロ。
“彼女”なんて都市伝説くらいの存在だと思って諦めてた。
そんな俺に、何を間違ったのか舞い降りてしまった幸運。
今なら俺は、ツチノコの存在だって素直に信じられると思う。
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