ある意味運命的な恋

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  「それで、情報収集の結果はどうだったんだよ?」 訪ねると、コータは七組の前で足を止め、俺の肩にぽんと手を置いた。 「ごめん、大吉。俺はお前の背中を押してやれないかもしれない」 どうでもいいが、真正面に立たれると触角みたいなチャームポイントがクソ目障りなんだが。 「何だよ?悪名でも轟いてたのかよ?」 「いや、悪名ってほどでもないけど、ちょっと大吉が相手するにはレベル高いかもなぁ。俺、大吉が泣くとこは見たくないよ」 「え、俺が泣かされんのか?告られてんのに?」 「まぁ、あくまで噂っていうか、一組男子諸君が言ってたことなんだけど」 と前置きし、コータは腕を組んで顔をしかめる。 「中学の頃から彼氏を取っかえひっかえ。高校入ってからもすでに四人と付き合ったことがあるとか。彼氏がいない期間がほとんどなくて、二月に二個上の先輩振ったきり珍しくフリーが続いてるらしいから、今度は誰が毒牙にかかるかって一部の男子の中では話題になってるらしい」 「お、おう、なるほど。俺と違って相手は手練れってことだな」 毒牙にって、マジかそれ。 魔性の女ってやつじゃないか。 「因みに、二股とかは決してしないらしい。一度付き合ったら超彼氏ラブで、そのデレっぷりについコロッとやられて、次々に男共は釣られていくとか」 「こ、恋多き乙女なんだな」 それを先に聞いてしまうと、なんだかなという気にはなってしまう。 まぁ、男なら誰彼構わずってわけじゃないからまだいい気もするが。
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