貴方

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 音の消えた異常な会場で、裕翔君のあの人への怒鳴り声が響く。  「お前だよな…………。」  目が、目怖いよ。  「待って!裕翔君やめろ!」  「うるさい!」  一生懸命裕翔君を掴む。あぁ、この身長の差をこれほど恨んだことは後にも先にもこれだけ。  「よくも……、や、山ちゃんに!!」  「駄目だよ!裕翔君!!」  ざわめく。  ところどころで聞こえる悲鳴。  「おい!!!殺してやる…………。」  「待って!待ってよ!俺は大丈夫だよ!裕翔君!!か、帰ったらまたいっぱいしてあげるから!!落ち着いてよおお!弟?猫?メイドさん?ねえ!お願いっ……俺のために裕翔君が汚れたりしないで!!ねえ!」  遅かった。
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