第一章 始まりの定め

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第一章 始まりの定め 『イッ!!』 堪えられなくて声が出る。 腹に激痛が走った。 自分でもよくわからないけど俺の体は吹っ飛んで… 襖の骨を折りその残骸に埋もれている。 恐らく折れた襖の骨か 尖った何かが俺の左腕に刺さってる。 だって痛いもん。 絶対刺さってるって… 義父さんが不気味に笑う。 俺の左腕からジンワリと広がる血を見て興奮してるんだ… 白い服だから尚更目立つのかな。 義母さんが義父さんの足につかみ掛かり 義父さんの動きを妨げようとした。 けど義母さんは、頭を思いっきり 踏まれるような形で蹴られる。 義母さん!! 声が出てくれなくて口だけがもごもごと動いた。 体中が痛くて…動けなくて 義母さんを守れなくて自然と頬に涙が流れた。 悔しくて悲しくて憎くて… 色んな感情が篭った涙は、義父さんの顔から笑みを奪いとった。 義父さんは、持っていた刀を畳に落として 義母さんの顔を覗く。
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