141人が本棚に入れています
本棚に追加
第一章 始まりの定め
鋭く殺気だった目で俺を見る。
段々と近付いてくるが、全く怖いと思わなかった…何も感じなかった。
あんなに怖いって思っていたのに…。
無視。
「なめてんのか?」
義父さんが俺の前まで来た。
俺は、義父さんの脇をすり抜けて素足で庭に出て全力疾走した。
門へ向かって…
「ふざけんじゃねぇぞ!!リュウカぁ!!」
義父さんが追い掛けてくるのがわかった。
そのまま、走って門をくぐった。
右も左もわからないけど取り敢えず適当に逃げた。
自分でも驚く程に体力があった
全力疾走で結構走った。
流石に息が上がって歩くことにした。
肩を揺らして。
此処までくれば大丈夫だろうから。
ジンジンと腕が今更痛みだした。
気付けばアンダーウエアが血だらけになっていた。
………初めて…あそこから抜け出せた。
周りを見ても知らない人ばかり。
擦れ違う人みんな俺を見て振り返る。
最初のコメントを投稿しよう!