第一章 始まりの定め

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第一章 始まりの定め 鋭く殺気だった目で俺を見る。 段々と近付いてくるが、全く怖いと思わなかった…何も感じなかった。 あんなに怖いって思っていたのに…。 無視。 「なめてんのか?」 義父さんが俺の前まで来た。 俺は、義父さんの脇をすり抜けて素足で庭に出て全力疾走した。 門へ向かって… 「ふざけんじゃねぇぞ!!リュウカぁ!!」 義父さんが追い掛けてくるのがわかった。 そのまま、走って門をくぐった。 右も左もわからないけど取り敢えず適当に逃げた。 自分でも驚く程に体力があった 全力疾走で結構走った。 流石に息が上がって歩くことにした。 肩を揺らして。 此処までくれば大丈夫だろうから。 ジンジンと腕が今更痛みだした。 気付けばアンダーウエアが血だらけになっていた。 ………初めて…あそこから抜け出せた。 周りを見ても知らない人ばかり。 擦れ違う人みんな俺を見て振り返る。
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