第一章 始まりの定め

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第一章 始まりの定め …ため息と共に口が動いた。 「…虐待…か? 逃げて来たのか? 人間ってのは 実の子にさえ 暴力…危害を加えるのか? 親は、ヤクザの類か? その腕も親がやったのか?」 最後に左腕を見据える。 次々と質問してくる龍麗さん…いっぺんに答えられるわけもない。 それに喋れないよ… 察してくれたのか、少し離れた龍麗さん。 さっきと違って優しくて逞しい目で俺を見据えてくれた。 「お前…辛かっただろ?」 『!え?…』 …初めて、だ… 義母さん以外で 俺に辛かっただろって…言ってくれたのは。 …話してみよう…かな…全部。 ひょっとしたら… 聞いてくれるかもしれない…
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