第一章 始まりの定め

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第一章 始まりの定め 大好きな義母の香りに包まれ色んな考えが湧きだした。 そして…一つの答えが導きだされる。 そっと義母さんの腕を握って 優しい義母さんの手に頬をくっつけた俺は この家を出ると決意した。 『義母さん…俺…この家を出るよ。 ありがとう…今まで育ててくれて… 俺を拾ってくれて。』 心の中で思ったつもりが声に出ていた。 抱きしめられた腕の力が更に強くなった。 「この家を出るのね?」 義母さんは細くて消えそうな声で尋ねてきた。 黙って頷く。
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