愛し方を教えます。

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「淫魔だって好きで誘惑しているんじゃないの。 生きていく糧なの」 人間の『性の力』がないとあたし達『淫魔』は生きていけない。 生々しい言い方をすると生きるために仕方ないのよ。 「……わかってるよ。 わかってるから複雑な気持ちなんだよ」 下で握り拳を作り霊能力者はブルブル奮えている。 「淫魔だって感情がある。 だから当然誰かを好きになる」 あたしは霊能力者を真っすぐに見る。 「お前俺が好きなのか?」 握り拳をほどき霊能力者はあたしを見た。 「何でそうなる?」 思いっきりあたしは聞き返す。 「いや、さっきから遠回しにそう聞こえるぞ? 始めはヤりたいだけかと思ったがな」 ヤりたいとか……。 何でこんな下品な言い方するかな。 まぁ、ほぼ正解だけど。 「そうよ。 あたしはアンタが好き。 だけどあたしとアンタは恋愛できない。 それはアンタだってわかってるでしょ?」 どさくさに紛れてあたしは告白する。 でもあたし達は……。 「お前を抱きしめたい。 キスしたい。 一つになりたい」 目をキラキラ輝かせながら霊能力者は言う。 何かいつもと違うんだけど……。
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