愛し方を教えます。

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「淫魔?上等だ。 俺がほれた女だ。 俺が守る。 まぁ、その前に俺がお前に負けるだろうな」 ニッと笑い霊能力者はあたしを見た。 「スケベ」 やっぱり、霊能力者である前に男なのよね。 何だか内心ホッとしたわ。 「お、男はそうなの! ……多分。 まぁ、モテる彼女も悪くないよな」 しどろもどろに霊能力者は言う。 こんなどぎまぎしている霊能力者、見た事ない。 いつもは凜として、笑わずにあたしに正面からぶつかってくる。 うざいと思っていたアイツ。 いつの間にかそれが恋に変わっていたなんて……。 「エマ。 あたしの名前エマって言うの。 『淫魔』じゃなくて名前で呼んで」 名前で呼んでほしい。 てか、今までお互い名前を知らなかったなんて。 「おう、そうだな。 俺は佑久。 蓮田 佑久(はすだ たすく)。 『霊能力者』じゃなくて名前でな」 佑久。 もう忘れない。 大好きな貴方の名前。 「佑久、好き」 ちゅっ あたしは佑久の唇にキスをした。 離したくない……。 あたしは思いっきり吸い付く。 「ぷはっ。 吸い付きすぎ。 血がでるだろ」 あたしの顔を離し佑久は大きく息を吸った。
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