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「それが可笑しいのよ。
あたしは一応『神族』よ。
そのあたしの力が通用しないなんてさ」
そうよ。
コイツにそんなに霊力は感じないのにあたしの魔力が伝わらないんだもん。
何か不正をしてるのかしら?
霊力の不正?
そんな馬鹿な。
霊力の不正なんて聞いた事ないわ。
前代未聞よ。
「人を惑わす淫魔。
今日こそ神界に送り返してやる」
手を合わせ霊能力者は経文を唱え始めた。
いやいや。
あたしに経文は効かないし。
学習能力ないのかしら。
「その言葉何回聞いた事やら。
ていうか、暇人よね。
あたしに構ってる暇があるなら修行しなさいよ」
ホントに。
神を相手にするなんてどうかしてるわ。
「余計なお世話だ」
あたしの言葉にブスッとしながらも霊能力者は経文を唱え続ける。
「パパンにまた叱られるわよ?」
コイツの父は有能な霊能力者。
まぁ、所謂『親の七光り』。
ちなみにあたしとコイツの父は仲良しでお互い理解し合ってる。
だけど、コイツばかりはどうもあたしを追い払いたいらしい。
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