8人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「謝ってるんだから許しておやりなさい」
ポンッ
あたしは優しく怖い顔の男の肩に手を置き、微笑む。
「あぁん?
てめぇは浦島太郎か!」
お、意外なツッコミが。
「おねが~い。
ゆ・る・し・て」
あたしはプルンとした唇を突き出し、目を細める。
そして一昔前に流行っただっちゅうののポーズをする。
「まぁ、そ、そうだな。
姉ちゃんに免じて許してやってもいいけど……」
あたしの淫らな格好に怖い顔の男は鼻の下を伸ばしている。
そして霊能力者を地面へ放り投げた。
興味が霊能力者からあたしに変わったようだ。
その隙をついて霊能力者は怖い顔の男から距離を置いた。
「少しなら触ってもいいわよ。
お・に・い・さ・ん」
あたしは怖い顔の男にウィンクする。
「ゴクリ……」
怖い顔の男がゆっくりとあたしの方に近づいて来る。
まるで吸い込まれるかのようにして。
「あたし、ワイルドなのも好きよ」
あたしは更に挑発する。
「さ、誘ってるのか?」
あたしに触れそうなギリギリの距離で怖い顔の男は息を荒げている。
「逆セクハラだな」
霊能力者がボソリと呟く。
「それはモテない男の台詞よ」
さっきまで失禁しかけていた男が何を言ってるのかしら。
最初のコメントを投稿しよう!