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「あ、お巡りさんだ」
すました顔で霊能力者はわざと遠くを見た。
「何!?
お巡りだと!?
チッ、退散だ」
周りをキョロキョロしながら怖い顔の男はさって行った。
やっぱやましい気持ちがあるとそうなるのね。
「アイツが馬鹿で助かったよ」
霊能力者はホッと胸を撫で下ろしている。
「……嘘つき」
あんな単純な嘘をよくもまぁ言ったもんよ。
嘘だとばれてたらきっとひどい目にあっていたわよ。
「あぁでもしなきゃ、お前お持ち帰りされてたぞ?」
ぷぅっと頬を膨らませ霊能力者は言う。
助けてくれたのかしら。
「アンタ、ヤキモチやいてるんでしょ?」
ヤキモチ……なのかな。
まぁ、いいや。
「な、何で淫魔なんかに。
べ、別に他の男にとられたくないから付き纏ってるわけじゃないからな」
しどろもどろに霊能力者は言う。
何か凄い慌てようだ。
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