愛し方を教えます。

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「アンタの負けよ。 0能力者」 あたしは霊能力者に顔を近づける。 「は? この俺が負けなわけねぇだろ」 近づいたあたしの顔を霊能力者は睨みつける。 「あたしにヤキモチをやいた時点で負けよ。 アンタはあたしの『力』に負けたのよ」 指を指しあたしは言う。 ふふ。 何か決め台詞みたいで格好いいわね。 「お、お前なんかに俺の気持ちわからないだろうが!」 あたしの決まった台詞を聞いて霊能力者はたじたじしている。 「どういう意味よ? あたしはアンタが理解できないわ。 人間って欲望を満足させたい生き物でしょ? 性欲だって満たしたいからセックスするししたいとも思うんでしょ? なのにアンタからはそんな気持ちがみじんとも感じないのよ」 人間には……いや、生き物には『性欲』がある。 ただ人間には理性があり制御されている。 あたしはそれを解除してしまう力がある。 それが淫魔。 性に溺れた神。 「俺だって男だ。 ヤりたい時はヤりたいし、悶々してる時もある。 けどな、相手が淫魔じゃ霊能力者として遺憾なんだよ」 頭をボリボリかいて霊能力者は顔を赤らめた。 「あたしで悶々してるの?」 思わずあたしは聞き返した。 まさか……。 この霊能力者が……ね。
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