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「朝から 昼までは 店に居るから。昼過ぎから 夕方は だいたいここで釣りしてる」
「判りました。また来ます」
僕は 諭くんにペコッと頭を下げた。
「章くん」
帰ろうとすると、諭くんに呼びとめられた。
「え」
「かっこいいね」
一瞬にして 身体がかぁ…と熱くなる。
「な、何を…」
「笑顔が 爽やか」
「やめてください… 帰ります…」
僕は 踵を返すと、足早に歩いた。
後ろから見られているようで ちょっと緊張した。
…爽やかなんかじゃないよ…
ここ数ヶ月というもの心から笑ったことなんか無い。
いつも 誰かに合わせて、気を遣って笑っていた。
それを見抜かれたようで 凄く恥ずかしかった。
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