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「釣れますか」
確か そんな風に 当たり前に始まった出逢いだった気がする。
諭くんは、ゆっくりと振り返って、僕は 可笑しなことを聞いたかと恥ずかしくなった。
「いやあ… あんまり。今日はダメみたい」
諭くんは フニャと目尻を下げた。
「そうなんですか」
僕は なんとなく諭くんの隣に座る。
本当に なんとなく
座りたくなった。
毎日 大学生をやっていると、割に大変だったりする。
人目を気にしたり、人の腹の中が気になったり。
教授に気に入られようと 躍起になったり、女のコに好かれる為に お洒落してみたり。
下らないことに 真剣になる、そんな毎日だ。
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