笑顔の裏側

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「おっ…!引いてる!」 僕がぼんやりしていると諭くんは 急にキリリと引き締まった顔になった。 グイグイと竿を引き、魚と引き合っている。 「網、網とって!えーと 名前は?」 「あ、佐倉章です」 「章くん、網 とって」 「あ、はい」 僕は 慌てて傍にあった網を取り、産まれて初めて魚を網で掬った。 グングンと腕を持って行かれるような感触。見ると それほど大きな魚では無いのに、もの凄い強さを感じた。
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