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「あなたが噂のイケメンパン屋さん?」
一哉は いきなり諭くんに近づいて 顔をまじまじと見た。
諭くんは 後退るでもなく、じっと一哉を見ている。
「ほんと イケメンだわ」
一哉は にっこり笑うと左手を差し出した。
「一哉です。佐倉さんの友達」
「あ、どうも」
諭くんは 一哉と握手を交わし、頭をぺこりと下げた。
「いい店ですね。メロンパンが旨そう」
一哉は トングを取ると メロンパンを一個 トレイに乗せる。
「この店って 客を泊めたりすんだ」
一哉は 諭くんの傍で呆然と立っている僕をみる。
「え…あ、違うんだ、一哉。昨日さ 雨でさ…」
「なんで 言い訳してんの?」
一哉は クックッと笑いながら 財布を取り出してメロンパンの代金を払う。
「ありがとうございました」
諭くんは 一哉をじっと見つめた。
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