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「あの一哉って子、章クンが好きなんだね」
諭くんは 一哉が出ていったドアを じっと見つめながら言う。
「好きって、そんな… ただの友達で…」
「章クンは?好きなの?」
諭くんは 振り返って僕を見た。
真剣な眼差しに ドキドキと心臓がなる。
「お、俺は…」
諭くんが好きなんだ…
頭の中で 何度も繰り返した想い。
ただ言葉にすると消えてしまいそうで。
軽くて中身の無いものになりそうで怖かった。
「一哉には 友人以上の感情は無いよ」
それだけ言って目を逸らした。
諭くんとの関係を壊したくない。
あまりにもモロくて儚いこの関係を…。
だから 言えなかった。
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