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『本日は 売り切れました』
そう書いた札を店の外に下げて、諭くんは店をCLOSEした。
「はあ…終わった」
「お疲れさま」
くたびれた顔で カゴに布巾をかける諭くんを手伝い、僕は レジの伝票を束ねる。
なんだか二人の店みたいだった。
「章クンって 暇なの?」
諭くんは 不意に聞いてきた。
「え… あ、うん」
暇な訳では無い。
今日は 帰ってから 友人から代理を頼まれた家庭教師のバイトもあるし、課題もまだ残っている。
けれど 今は 何も考えずに 諭くんと居たい。
諭くんの…
本当は 諭くんの気持ちが知りたかった。
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