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「あの。諭さんは普段は 何してる方なんですか?」
僕は 釣糸を眺めるフリをしながら 何気なく聞いた。
「ああ、オイラ パン屋さん」
諭くんは、僕のほうをゆっくり振り返って 優しい笑顔を見せてくれた。
…トクン…
その笑顔に胸が高鳴る。
自分でも よく判らない感情に戸惑った。
「へぇ… パン屋さんかぁ、食べてみたいな、諭さんの作ったパン」
「いやぁ そんなに旨くないよ」
諭くんは 少し照れながら、鼻の頭を掻いている。
…トクン…
まただ… なんだよ、この気持ち。
フワフワして、ずっとこのままで居たい気持ちだった。
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