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朝。携帯の音で目が覚めた。
今日は 特に誰とも約束していなかったはずだが…
着信を見ると一哉からだった。
「もしもし…」
まだ寝ぼけた頭で電話に出た。
『もしもし、寝てた?』
「ああ」
『おはよ』
「なんだよ…」
明らかに不機嫌に言うと、一哉は 楽しそうに 話しだした。
『あのメロンパン旨かったからさ、今日もまた買いに行こうと思って』
「へ、へえ」
『あのパン屋さん確かにイケメンだね』
「だから何だよ」
『佐倉の好きな人って あの人?』
「……言う必要ある?」
『いや、無いけど』
「おまえ、諭くんに余計なこと言うなよ?」
『へえ、諭くんて言うんだ』
段々 頭が覚醒してきた。一哉の奴 何を考えてるんだ?
僕は いてもたってもいられない気持ちになってきた。
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