176人が本棚に入れています
本棚に追加
「いらっしゃいませ」
Blauの木の扉を開けると 何故か一哉の声。
「なんで…?」
一哉が諭くんとお揃いのエプロンをしてレジに立っている。
「やっぱり 来た」
一哉は 楽しそうに言うと 並んでいたお客さんの相手をしながら 僕を見てニヤニヤと笑った。
「やっぱりって」
「だから そのまま。あ、ありがとうございました。また来てね」
二人連れの女のコ達は 一哉に嬉しそうに手を振っている。
「ああ、章クン。いらっしゃい。カズくんに手伝って貰っちゃって。凄く接客が上手だから、オイラ パン作りに専念できて 助かってる」
諭くんが 奥から出てきて嬉しそうに言った。
「そ、そう…」
なんだか 返す言葉も無くて パンの棚を眺める。
「たまには 俺も買おうかな…」
独り言を呟いて トレイを持った。
最初のコメントを投稿しよう!