ヤキモチ

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…やっぱ メロンパンは 外せないよな。あと こっちのカレー味のウインナーロールも旨そう… あと クリームパンと… 次々とトレイに乗せていると 奥から楽しそうな声が聞こえて来た。 「えっ、いいの?試食して」 「うん、食べてみて。秋の新作の栗のパンなんだ」 「うわ~ 旨そう」 いつの間にか 一哉は 諭くんとすっかり仲良くなったようだった。 確かに一哉は 人懐こい性格をしていて、初対面の人とも すぐに仲良くなる。 けれど それだけでは無いのも事実だが…。 「章クンも食べる?」 諭くんが店先に出てきて、僕の口に一口大のパンを入れてくれた。 「あ、んまい!栗いいね」 両手でトレイを抱えたまま僕は 諭くんに笑いかけた。 「良かった、じゃあ 明日から出すよ」 諭くんは 満足そうに言うと また奥に戻ってしまった。
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