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「章クン… 章クン」
優しくて静かな声。
…俺の大好きな諭くんの声に聞こえる…
「諭くん…大好きだよ…」
夢の中で呟いてみる。
「章クンてば」
「え…」
目を開けると諭くんが綺麗な顔で 僕を覗き込んでいた。
「ごめんね、ほったらかして」
諭くんは 僕の隣に座る。
「あ、いや 全然。こっちこそ 忙しいのに邪魔しちゃって。もう店は終わったの?」
「うん。今 カズくんが 片付けてくれてる」
諭くんは 嬉しそうに笑った。
「カズくんが 章クン きっと拗ねてるから 早く行ってやって、だって」
…くそ、アイツわざとだな…
僕は そう、と言って苦笑いをした。
「拗ねてたの?」
キョトンとした顔で見られて 僕は 少し戸惑った。
「…うん…拗ねてた」
「章クン」
僕が下を向くと 諭くんは 僕の下に回り込んできて、チュッとキスをくれた。
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