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桜の開花と共に、私の高校生活ははじまった。
私立、浅葱学園高等部。
中高一貫校だが、高校受験という便利な制度のおかげで今の私はここにある。
家から近いというのも入学理由のひとつだが、親に高い授業料を払わせたいという密かな嫌がらせの意もまたそこにある。なんて親不孝の娘なんだ。
新入生は40名ほど。高校生とはいえ、若干青臭さが残っている。
式もそつなく終わり、あとはHRだけだ。
欠伸を咬み殺しつつプリントの文字を眺める。
髪は染めない、ピアスはあけない、スカート丈云々…
普通に生活していたら守られるはずの秩序。
それを破るのが人間の欲で、制するのが規則だ。
自慢じゃないが、こういう決まりごとは破った事がない。
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