入学及び諸注意

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長かったHRが終わり、体育館へと移動する。今日もう部活紹介をすませてしまうらしい。 「奈緒、一緒に行こう!」 中学の時の同級生、西村ほのか。 "静"の私に対してほのかは"動"だ。 いつも部屋で本を読んでいる私と、校庭で楽しそうにドッジボールをするほのか。 性格だって真反対なのに、何故かずっと一緒にいる。 「どんな部活があるんだろうね?」 「楽しみだね」 体育館は沢山の人でひしめき合っていた。 それもそのはず、一学年で200人はいるのだから全校生の中1から高3がこの狭い体育館に会すると、すごい人数になるのだ。 入学式の時は親もいて更に凄かったけど。 「それにしても暑いね~、熱気が…」 多汗症のほのかの額にうっすら汗が滲むほどだ。 やがて人も揃い、先程決まった委員長が点呼をとりはじめる(因みに私は美化委員に立候補した。ほのかに失笑された)。 ざわついていた館内が徐々に静まると、先生の1人がマイクを持って前に出てきた。 「えー、それではですね、全員そろったという事でですね、えー、部活動紹介をはじめたいと思います。全員、えー、座りなさい」 何故か脳内で「口のききかたに気をつけな!」と再生された。なんでだ。 まずはじめに運動部。目の前で様々なパフォーマンスが繰り広げられる。トップバッターの野球部は素振りなどだったが、あとになるにつれテンションがあがってきたのか、柔道部が実際に試合したりバスケ部がシュートのコツを伝授しだした。 そんなものだから体育会系のほのかは終始興奮、今にも飛び上がりそうなところを抑えるのに大変だった。 対する私としては運動は苦手なので、出来るだけ少人数な文化部に入ろうと決めていた。 「奈緒も線は悪くないから運動部で青春すればいいのにな、もったいない」 ほのかにもため息をつかれた。
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