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運動部の紹介がおわり、文化部の紹介にうつる。
先程よりかは落ち着いている…なんてことはなく、あったら入ろうと思っていた文芸部まで38人の大人数総勢での演劇をしたのでびっくりした。
「奈緒、文芸部の線はナシ?」
「無し」
浅葱学園はどうやら部活動に力を入れているらしい。なんか不安になってきた。
「えー、じゃあ次はですね、えー、犯罪、えー、歴史研究えー、部、ですね」
途端にざわつく館内。それよりも先生の喋り方の方が気になる。凄く気になる。
犯罪歴史研究部といわれ出てきたのは1人…1人?
小道具もなにも持たずに、背筋を伸ばして堂々とあるく眼鏡の少年。
マイクのある中央に立つと、言った。
「御機嫌よう、諸君」
内部生の腹筋が崩壊した。静かに
中1と外部の高1は全くわけがわからない。
しかし一部の人間はくすくすと笑っている。
ほのかもそのうちの1人だった。
「いやだってさ、今時"御機嫌よう"って…半端ねぇ…!!」
「我が犯罪歴史研究部。部員は僕1人だ。活動内容は主に、興味深い犯罪者の究明、そしてレポートを作成する。その内容は本となり、歴代の卒部生方の書物と共に棚に並ぶ。学院祭への展示も内容が内容だけに例外として行われない。そして、毎年入部希望者は多い。しかし入部には人数の多さなど諸事情により、僕が面接をする事になっている為あしからず。…以上だ」
館内の温度が3℃くらい下がったような気がする。派手なパフォーマンスはない。しかし、彼の言葉は一番私の心に響いてきた。
興味深い犯罪者の究明。
私の心臓はいつになく脈うっていた。
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