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私は叱られるのかと、人形を抱き寄せ体をこわばらせ瞼をギュッと瞑った。
「…あんたなんで毎回毎回部屋の電気つけないの?」
月明かりに照らされた私を見てママが呟いた。
「こわ い から…」
そう答えた私にママは不思議そうな顔をすると、ちょっとだけ笑って、お腹すいた?と聞いてきた。
何も答えない私の手に小さなおにぎりをのせると私を膝の上に抱きかかえ、
「パパ嫌い?」
と聞いてきたが私はその問いにも答えなかった。
小さなおにぎりを人形に食べさせようとした私に飴を渡すと、おにぎりは紘が食べなさーいと急かされた。
すべて飲み込んだのを見届けると、ママは部屋を出ていった。
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