322人が本棚に入れています
本棚に追加
「中は、中はどうなっている!」
ゴードンは叫んだ。
周りの3人には、おおむねの事態を話している。
「ねえ、アルは? アルはどこ?」
「……<闇>の専攻の名が泣くね、これは……」
取り乱している3人を落ち着かせようとするラク。
「落ちつけ、3人とも」
「……ちょっと待て、3人だと…?」
「どうした、ゴードン」
「! ルーナが!」
イリスが叫ぶ。
「ルーナが、まだ中に!」
眠っていた。
……苦しげに。
「なんだと!?」
ラクは魔方陣を殴る。
だが、拳はむなしくはじかれる。
「くそっ、いったいどうしたら……」
「……1体?」
ゴードンの言葉に、ラクが反応する。
「ラクさん、どうしたのですか?」
「そうだ、1体だ! まだ、中に俺が2体いる!」
「それは、壊れているんじゃ……」
「俺の本体は俺の魂だ! いくら体が壊されても、いくら魂が少し消えようとも、再び憑依すれば!」
その瞬間、他の2体から聞こえた。
2つ目の魔方陣が出来上がった、と。
「よし、これに俺の力を加えてやれば……俺の可能性を信じる!」
可能性を変える可能性は、今のラクにとっては簡単にできる。
そう、人間でなくなった者ならば。
最初のコメントを投稿しよう!