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「自分の名前の由来も知らないのに、他の人の名前に込められたら意味がわかる訳ないじゃないですか」
勝ち誇った顔をしている沖田さん、こめかもをピクピクと痙攣させている土方さん
「そういえば桃華さんご両親はどこにいるんですか?」
いきなり話題を変えてきた
その話の中身は重大だけど
(はっきりいって話したくない、でも嘘言って墓穴を掘るのも嫌だしな………未来から来たって言えば名前の事も片付くんだけど、信じるわけがない)
知らない土地に来て、嘘をいってごまかせるほど幕末は甘くはないってことか
「私……親いないから」
沖田さんは元の場所に戻ると「すみません」と静かに言った
気がつくと周りの人の表情も暗い
近藤さんに至っては今にも泣きそうな顔をしている
一方の土方さんは表情一つ変えずに私を見据えている
でもそんな顔はすぐに厳しい目に変わり
「嘘も大概にしろよ、俺はお前みたいに礼儀もなってないやつ初めてだ、よっぽど甘やかされてきたんだろうな」
言い負かしてやった感を出している土方さん
「嘘は言ってないよ」
どんな事にも冷静に…それが今まで生きてきて学んだ事だ
痺れをきらした土方さんはついに刀を抜き、私の首に添えた
「いつまでもそんな嘘が通じるとでも思ってんのか!?」
怒鳴った
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