第一幕

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「自分の名前の由来も知らないのに、他の人の名前に込められたら意味がわかる訳ないじゃないですか」 勝ち誇った顔をしている沖田さん、こめかもをピクピクと痙攣させている土方さん 「そういえば桃華さんご両親はどこにいるんですか?」 いきなり話題を変えてきた その話の中身は重大だけど (はっきりいって話したくない、でも嘘言って墓穴を掘るのも嫌だしな………未来から来たって言えば名前の事も片付くんだけど、信じるわけがない) 知らない土地に来て、嘘をいってごまかせるほど幕末は甘くはないってことか 「私……親いないから」 沖田さんは元の場所に戻ると「すみません」と静かに言った 気がつくと周りの人の表情も暗い 近藤さんに至っては今にも泣きそうな顔をしている 一方の土方さんは表情一つ変えずに私を見据えている でもそんな顔はすぐに厳しい目に変わり 「嘘も大概にしろよ、俺はお前みたいに礼儀もなってないやつ初めてだ、よっぽど甘やかされてきたんだろうな」 言い負かしてやった感を出している土方さん 「嘘は言ってないよ」 どんな事にも冷静に…それが今まで生きてきて学んだ事だ 痺れをきらした土方さんはついに刀を抜き、私の首に添えた 「いつまでもそんな嘘が通じるとでも思ってんのか!?」 怒鳴った
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