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リビングへと続くドアを開けた私は
「おはよう」
そっと呟いた
…しかしその声は誰にも届くことはない
「当たり前か、誰もいないんだもんね。」
彼女は台所へと足を向け、食器棚の中からメロンパンを一つ取り口へ運んだ
「おいし……」
彼女は無表情のまま、黙々とパンを頬張った。
二分後、彼女の手にはパンの入っていた袋しか無かった、
…ゴクン、っと最後のひとかけらを飲み込むと
ふと
(それにしても…広すぎだろ、これは…)
一人暮らしをしている私にとって一戸建ての家は流石に大きすぎる。
元々、藤崎家は七人家族だったため自然と家が大きくなってしまったのだ
だが、今は違う…
この広い空間に賑やかさはなく
あるのは私と…沈黙の世界だった。
「こんな事考えてる場合じゃないか…
あっ、学校……忘れてた」
彼女はリビングを出て二階へと上った。
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